岩蔵温泉のことのんびり里山東京。

ゆっくり。
静かに。
感じてみる。

「岩蔵温泉」は東京都青梅市にあり、東京都唯一の温泉郷として、古くは日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が身を清めた伝説が残る歴史のある地域です。かつて温泉郷として栄えてきましたが、ランドマークのようなものはなく、多くの人が足を運ぶ観光施設はありません。

しかし、ここには東京とは思えないくらいの自然に囲まれた『里山風景』があります。
岩蔵へ向かう途中の七国峠を越えると、家は疎らになり、目の前には緑豊かな山々が迫ってきます。

岩蔵温泉の歴史

ヤマトタケル伝説岩蔵の大岩

岩蔵の地名の由来となったとも言われる「大岩」。
岩蔵には「日本武尊(ヤマトタケルノミコト)」が、東方征伐の際に、この鉱泉で戦いの傷を癒したいう伝説が残っています。

「日本武尊(ヤマトタケルノミコト)」は「古事記」や「日本書紀」などに出てくる日本神話の英雄で、「身の安全を祈願して、岩でできた蔵に武具を納めた」ことから「岩蔵」という地名になったと伝えられています。

大岩は立川断層の始まりとされていて、高さは5、6メートルの断層が地表に出ているのが見どころです。また、大岩に行くまでの道のりも木々のトンネルをくぐっているようで、とても神秘的。まさに岩蔵のパワースポットです。

岩蔵温泉の歴史

岩蔵に伝わる疫病封じの民俗フセギのワラジ

東京都指定無形民俗文化財に認定されている、岩蔵に残る貴重な民俗です。「フセギのワラジ」は疫病や悪霊が村の中に入ってこないよう、生活の場を守るために代々と受け継がれ、村境の6ヶ所に吊るされていています。

現在でも、毎年7月24日に近い日曜日に、その年の新しいワラジがつくり、祀っています。

この6ヶ所にある「フセギのワラジ」は、歩いて約1時間半ほどで全てを巡ることができるので、ワラジを探しながら、岩蔵を散策するのがおすすめです。疫病や悪霊から私たちを守ってくれるかもしれません。

岩蔵温泉の歴史

市指定史跡岩蔵居住跡

岩蔵遺跡は、縄文時代中期(4000〜5000年前)の集落跡である。
当時の集落は、広場を中心に円形ないしU字状に囲むように住居を配する環状集落等が知られているが、この遺跡は、そのごく小規模なものと考えられる。昭和40年2月の発掘調査で発見された3軒の住居跡は、いずれも直径4m程のほぼ円形をなし、床面中央に炉跡、周辺部に5〜7本の柱穴をもつ竪穴式住居であった。なかでもこの三号住居跡は、出土品も多く、保存状態も良好であった。(参考:青梅市教育委員会)

また、岩蔵遺跡は「うえんでー」と地元に人から親しまれている高台にあり、春になると、見応えのある大きな桜が満開になり、畑の広がる里山散歩を、のんびりたのしむことができます。あまり知られていない隠れスポットです。